大家さんにとって避けては通れない不動産の補修工事。昨今、大雨・台風・地震など、自然災害による被害も多く耳にし、みなさんの不安の種になっているのではないでしょうか。
今回は「静岡大家の会」大石が、アパート・マンションの塗り替え専門店「SUGIWA(スギワ)」杉山さんにインタビューしました。
杉山 貴之(左)
「株式会社SUGIWA」代表取締役。左官屋の祖父・父の背中をみて育ち、2013年に創業。アパート・マンション専門という強みを活かし、小回りの効くサービスを心がける。
大石 龍之介(右)
「静岡大家の会」の発起人、運営者。
01/塗り替えは補修ではなく“投資”
<「静岡大家の会」大石(以下「大石」)>
不動産の補修といえば外側・内側各種ありますが、特に見た目・外壁の美しさは入居率に大きく影響を与えると感じています。
わたしの体感では、入居率が数倍違うかなと。とはいえ、金額的にも工期的にすぐ決断できるものではなく、いつも頭を悩ませています。外壁の塗り替え時期の目安ってあるんでしょうか。
<「SUGIWA」杉山さん(以下「杉山」)>
一般的には10〜15年毎に塗り替えるのがよいといわれています。ただ、立地条件や天候状況、そもそも元の外壁の色(塗料)が何だったかによってだいぶ違う。わたしたちプロはこれら4つをまずチェックしますね。
- チョーキング(外壁に白っぽい粉がついているか)
- クラック(外壁がひび割れているか)
- リフティング(外壁が膨れているか)
- シミ
<大石>
以前、SUGIWAさんに所有物件をチェックしてもらいましたが「え? ココ、ひび割れなの?」って(笑)。素人目には全然わからなかった。
<杉山>
そうなんです。慣れていないとなかなかその損傷に気づくのが難しくて。それでまた厄介なのが、一番影響の出やすいポイントは「屋上」。普段あまり確認する機会がない場所なので、塗り替えの相談に来られるタイミングでは、思った以上に進行しているというケースもめずらしくありません。
一番わかりやすいチェックポイントは、壁を手でさわって白くなるかどうか。白くなった場合は塗り替えのサインです。雨水を弾かなくなるのは、もうかなりギリギリのサイン。この状態だった場合は……だいぶ塗り甲斐がありますね(笑)。
<大石>
そうなると、外壁の塗り替えだけではなく、躯体についてもチェック・修繕を行う必要が出てきますよね。
また、すでに所有している不動産はもちろん、これから購入しようと考えている物件についても気になります。せっかく魅力的な価格で購入したとしても、状態によっては修繕・補修費の方がふくらんでしまうという可能性があって。
<杉山>
アパート・マンションの塗り替えは、補修というより“投資”の側面が大きいのかなと考えています。塗替えの時期を誤れば、塗装以上の修繕費がかかってしまったり、大石さんの言うように、外観の美しさが入居率を左右したり。
外壁はいわば物件の“顔”。不動産を長持ちさせるという意識で考えていただけるとよいのではないでしょうか。
<大石>
たしかに。とくに女性や若いファミリー層なんかは、住居選びで「見た目」を重視する傾向がありますし。10〜15年毎というのは基準にしつつ、違和感を感じたらすぐに相談するのがよさそうですね。投資家にとっては、美観・耐久性はもちろん、税金対策にもなりますから。
<杉山>
気になったタイミングで、健康診断的に一度実際の現場をみてもらうのがおすすめです。そのほうがリアルな金額感で検討いただくことが可能なので。
あと意外に大切なのが、外壁の色選び。
<大石>
安く済む色というものがあるんでしょうか?(笑)
<杉山>
近年のトレンドはチャコールグレー・ネイビーなど、シックでスタイリッシュなカフェ風カラーなんですが、ここだけの話、流行りの色は仕入れの関係で比較的安く仕上げられるんです(笑)。ダーク系の色は汚れも目立ちにくいですし、総合的におすすめですね。
逆に明るい色・濃い色は色飛びしやすい傾向。めずらしい色も少し金額が張ります。
たまに大家さんの好きなカラーや、地域柄なのか、応援しているスポーツチームのテーマカラーで塗りたいというオーダーもあるのですが、もし金額を抑えたい場合は一度優先順位を再考いただくのがいいかもしれません。
02/静岡市アパマン専門店ならではの強み
<大石>
人気の高い色かつ安く済むというのは、大家のみなさんにとってはありがたい情報ですね。さすが、アパート・マンションを専門に手がける会社の情報、という感じですが、そもそもなぜ専門を目指したのでしょう?
<杉山>
2013年の創業当時、アパート・マンション専門で塗装業を営む会社がなかった、というのがシンプルな理由です。祖父・父も同じ業界の人間で、わたし自身も職人として働いてきましたが、会社をつくるならもっとターゲットを絞っていこうと。
戸建て住宅の塗り替えだと期間はだいたい2週間ほどですが、アパート・マンションともなると、数か月単位に及びます。期間が長引くほど居住者のストレスや不安が大きくなるので、工期のスケジューリングとスピードがとても大切。
はじめた頃は経験不足もあって、住居者・大家のみなさんにご迷惑をおかけすることもありましたが、おかげさまで施工件数は現在1000棟以上に(2024年11月現在)。創業から10年以上が経ち、職人同士の連携など、チームワークも向上してきました。自社職人による完全自社施工が実現できているのも、SUGIWAの強みです。
<大石>
SUGIWAさんの塗り替え、正直、他社に依頼したときよりかなりスムーズで助かりました。
<杉山>
ありがとうございます!
SUGIWAの場合、組織化によって自社職人の数を確保できるので、工期スピードにはかなり自信があるんですよ。通常3か月程度の塗り替え期間を必要とするアパート・マンションであれば、SUGIWAなら、半分の約1.5か月程度で完了できるようなスケジュールを組んでいます。
あと、住居者や大家さんに喜ばれているのが「3 + 1工法」という作業の進め方。これは、外壁4面を一度に塗り替えるのではなく、まず3面の塗り替えを進め、最後に南側の1面を仕上げるというもの。足場を一気に立ててしまうと、陽の光を遮断してしまったり、ベランダで洗濯物が干せなくなったりしてしまいます。その不便さをできるだけ軽減し、居住者のみなさんに極力普段の生活を続けていただきたいと思い、この工法を採用しました。
<大石>
足場が立つとやはり閉塞感というか、心理的に窮屈さを感じますもんね。大家の身からすると、施工期間は居住者からのクレームがないかヒヤヒヤです。
<杉山>
そうなんですよね。だからこそ工期の短縮はとても重要。品質面・安全面は絶対条件として、アパマン専門ならではの知識と経験によるスピードアップを心がけています。
03/塗り替えの目線は「居住者」と「投資家」で
<大石>
そういえば、過去SUGIWAさんに塗り替えしてもらっていた物件で、タイル仕様になっていた一部分がはがれてしまっていて。該当箇所をチェックしてもらい、そのまま併せて修繕してもらえて、とても助かりました。
<杉山>
塗り替えは塗装会社、貼り替えはタイル職人のいる会社と、専門的な作業は分かれていることが多いのですが、うちの場合は状況次第で、併せて施工することが可能なんです。このときは確か、上の方のタイルがはがれて落下する危険性があったので。だったら塗り替え用の足場が立っている間に作業しちゃった方が早いし安全だしいいな、と。タイル部分の固定や塗装後の防水加工も、SUGIWAで一括施工することもありますね。
<大石>
“タイルが落ちて居住者に当たってしまうかも”という視点で考えられていなくて、ヒヤっとしたことを覚えていいます。大家のわたし以上に居住者目線というか。
<杉山>
住む方にとっても、塗り替えが終わってようやく足場が外れたのに、タイルの貼り替えで再度足場が組み立てられたら、やっぱり気持ちが少し落ちるじゃないですか。できるなら一度にやれた方が、居住者にとってもよいでしょうし、足場代という意味では大家さんも費用を抑えられるのかな、と。
<大石>
もはや「投資家」の目線。
たしか、新しく購入した中古物件の塗り替え作業が完了したあと、デザインが気に入らず、表札を買い替えたことがあって。これまでより一回り小さいサイズにしてしまったせいで、前の外壁の色が出てきてしまい、数センチ幅を快く塗り直していただいたこともありましたね……あのときはすみません!
<杉山>
[塗れるところは、全部塗る]が、わたしたちSUGIWAのモットーですから(笑)。実は駐車場の白線の引き直しなんかも承ってますよ。「どこに依頼したらいいかわからなかった」という声も多くて、大家さんたちから喜ばれています。
アパート・マンション専門の塗装屋としてはじまったSUGIWAですが、それにとどまらず、小回りの利く不動産パートナーとして事業を続けていきたいですね。
株式会社SUGIWA(スギワ)
〒422-8034 静岡市駿河区高松2丁目2-8
0120-169-916(8:00〜17:00)
https://sugiwa.com/
無料見積もり(ウェブサイト・LINE)はお気軽にお問い合わせください